薬剤を使わない防蟻対策とは？ “薬剤ゼロ”の防蟻対策が注目される理由も解説

これまで日本の住宅では、シロアリ対策として「薬剤処理」が主流とされてきました。
しかし、近年は薬剤に頼らない新たな防蟻対策の潮流が生まれています。

住宅建材に含まれる化学物質が原因で起こるシックハウス症候群や化学物質過敏症への懸念が拡大しています。
防蟻薬剤に使用される成分の中には、揮発性が高く、長期間にわたり住環境に影響を及ぼすものもあります。特に、小さな子どもや高齢者、アレルギー体質の方にとっては、薬剤処理が健康リスクになる可能性が否定できません。

近年、健康住宅・自然素材志向の高まりとともに「家は安心して暮らせる場所であるべき」という価値観が重視されるようになり、住まいに対する“健康志向”が強まっています。無垢材の利用や自然素材の断熱材などと同様に、防蟻対策においても「人体に影響を与えないこと」が新たな基準となってきています。
こうした背景から、薬剤フリーであることを住宅選びの基準とする消費者も増えており、薬剤を使わない防蟻技術へのニーズが拡大しているのです。

薬剤による防蟻処理（薬剤散布）は、5年ほど経過すると効果が薄れていきます。
また、たとえ高性能な薬剤を用いても、施工方法や環境条件によって効果が大きく左右されるという課題があります。
例えば、薬剤が土壌に吸収・分解される、または揮発して失われるケースがあるほか、施工ミスによってシロアリの侵入を許す場合もあります。風雨によって薬剤の分解・流出が促され、想定よりも早く効果が消失してしまうことも少なくありません。
薬剤の効果が切れた後は再処理が困難であり、特に基礎下は再施工ができないことが大きなデメリットです。
こうしたことから、薬剤による防蟻対策のみで長期にわたる安心を求めるには限界があります。

薬剤を使わずにシロアリの侵入を防ぐ手法として注目されているのが、「物理的バリア工法」です。これは、建物の基礎や床下部分などシロアリの侵入経路そのものを物理的に遮断する方法です。防蟻シート、金属メッシュなどを基礎下や外周に施工し、シロアリの通過を阻止します。

物理的バリア工法は薬剤と違い、時間経過によって効果が減衰することがなく、再施工の必要がほとんどありません。また、化学物質を使わないため、環境や人体にやさしいことも大きなメリットです。

物理的バリア工法の代表的なものに「シート工法」があります。これは、シロアリの侵入を防ぐために床下の土壌表面に特殊なシートを敷設する方法です。
シート工法には効果の持続性や安全性、メンテナンス性などの面でメリットがあります。

シート工法はシロアリの侵入経路を半永久的に遮断するため、長期間にわたって効果を発揮します。
また、シート工法に使用される材料はVOC（揮発性有機化合物）を含まないものが多く、人体やペットの健康に影響を与えないため、安心・安全です。
再施工の必要がなく、メンテナンスにかかる手間や費用も少なくて済みます。

シート工法は初期費用が薬剤散布より高い場合がありますが、ランニングコストは不要です。長期間の効果を考慮すると、優れたコストパフォーマンスを発揮します。
長期的な効果が望めることから、長期優良住宅やZEHなど高性能住宅との相性が良く、補助金対象になる場合もあります。
こうしたことから、「一度の施工で長期間な安心」を求める施主に選ばれています。

シート工法は長期的な効果、安全性、メンテナンス性に優れ、薬剤散布と比較してコストと効果のバランスが良い物理的防蟻対策です。特に、環境への配慮や持続的な性能を重視する場合に最適な選択肢となります。
こうした物理的防蟻対策の具体例として、以下では「ターミダンシート」をご紹介します。

「ターミダンシート」は土壌表面施設用のシロアリ防除アイテムであり、防蟻対策に最適なシートです。
忌避性・即効性・残効性の性質を持つビフェントリン(ピレスロイド系)を使用しており、防湿シート型でシロアリをシャットアウトできます。
従来の防湿シートの代わりに敷くだけで防蟻効果があり、手間をかけずに「薬剤ゼロ防蟻」を実現します。

ターミダンシートの詳細についてはこちらのページをご覧ください。

「ターミダンシート」