床下の湿気を放置することによるリスクと解決策について解説

2025年5月27日
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住宅の耐久性や安全性を保つ上で、見落とされがちなのが「床下の湿気対策」です。床下に湿気が溜まりやすい環境が続くと、建物の構造に深刻な影響を及ぼす可能性があり、特にシロアリ被害を招く要因となります。
本記事では、床下の湿気を放置することのリスクや、従来の床下湿気対策の課題、そうした課題を解決する施工の方法について解説します。

床下の湿気が住宅にもたらす構造的リスク

床下の湿気は、住宅の劣化をもたらす構造的なリスクです。
特に、木材腐朽や断熱材の劣化、シロアリ被害といった問題を引き起こす要因となります。

床下の湿気は木材腐朽や断熱材の劣化を引き起こす

床下木材の腐食

床下に湿気がこもると、住宅の基礎部分に使われている木材(例えば土台や大引といった構造材)が腐朽菌やカビの影響を受けやすくなります。これにより木材の強度が低下し、最悪の場合構造的な安全性に影響を及ぼすことがあります。

特に、近年多く建てられている高断熱・高気密住宅では、床下空間が外気と遮断されやすく、湿気の逃げ場がなくなることが問題です。湿気の排出経路が確保されていないと床下に局所的な結露が発生し、断熱材の内部にまで水分が入り込む場合があり、その結果、断熱性能の低下や素材そのものの劣化を引き起こすおそれがあります。

湿気環境はシロアリ被害を招く要因にもなる

湿気とシロアリ

もう一つの重大なリスクは、シロアリによる被害です。シロアリは湿度の高い環境を好み、乾燥した場所よりも床下のような湿った空間に集まりやすい性質があります。床下の湿気が高い状態が続くと、シロアリが地中から蟻道(ぎどう)と呼ばれる通路を作りやすくなり、住宅内部への侵入リスクが格段に高まります。

一度シロアリが住宅内に侵入すると、目に見えない場所で木材を食害し、知らないうちに構造部分が大きく損傷していることも少なくありません。そのため、防湿対策は単に快適性を保つためだけでなく、シロアリによる被害を未然に防ぐためにも非常に重要です。

従来の床下湿気対策に見られる課題

床下の湿気対策としては、換気口や基礎パッキンによる通気、防湿シートの施工などがありますが、これらの対策には課題もあります。

通気構造や基礎パッキンだけでは不十分

床下通期構造イメージ

床下の湿気対策として広く普及しているのが、基礎に設けた換気口や、基礎パッキンを用いた通気構造の確保です。これらは床下に自然通風を促すことで湿気を逃がす有効な手段ですが、すべての条件下で常に効果を発揮するわけではありません。

例えば、建物の配置や間取りによっては通気が一部に偏ったり、風の流れが弱くなったりすることがあります。特に北側や隣家との距離が近い場合、日射が当たらず空気の流れも滞りやすく、床下空間に湿気がたまりやすくなります。また、外気と床下空間の温度差が大きいと、換気口周辺で結露が生じることもあり、かえって湿度を高めてしまうことも珍しくありません。
こうした場合、通気構造だけに頼った対策では効果が限定的なものにとどまる可能性があります。

防湿シート単体施工の耐久性と機能面の限界

防湿シート

「防湿シート」を地面に敷設する対策も一般的です。多くはポリエチレン製の薄手素材で構成されており、地中から上昇する湿気を物理的に遮断する役割を果たします。

しかし、防湿シートは施工時に破れやすく、石や木片などによって損傷することがよくあります。加えて、経年劣化によって素材が硬化・ひび割れを起こすと、防湿効果が低下し、期待される性能を長期間維持できません。
また、防湿シート自体にはシロアリを防ぐ効果がないため、防蟻処理を別途施す必要があり、施工の手間と管理コストが増すことも課題です。

湿気・防蟻・省施工を一体で解決する施工の必要性

以上のような課題に対処するためには、従来型の通気対策や防湿シートのみに頼るのではなく、湿気・防蟻・省施工を一体的に行う対策が求められます。

点検しづらい床下だからこそ「初期対策」が重要

初期対策

住宅の長寿命化や快適な住環境を維持するうえで、床下の湿気対策は非常に重要です。しかし、床下は構造上、居住者が日常的に点検するのが難しく、異常が発覚したときにはすでに深刻な状態に陥っていることが少なくありません。その場合、安全上のリスクはもちろん、修繕コストが高額になるリスクも高まります。
そのため、「後から対応」するのではなく、「初めからしっかりと対策しておく」という姿勢が求められます。特に、初期段階で湿気と防蟻両方の対策を構造的に行えるような設計・施工が必要不可欠です。

床下の初期段階の対策に有効な方法とは

床下の湿気やシロアリ対策は、住宅の長期的な健全性を保つために欠かせない要素であり、初期施工段階でしっかりと対策を講じることが重要です。ターミダンシートは、こうした課題を解決するための優れた防湿・防蟻資材であり、非常に高い性能を持ちます。物理的なバリアを提供することにより、湿気の侵入やシロアリの侵入を根本的に防ぎ、薬剤処置とは異なり長期間効果が持続します。

忌避性・即効性・残効性の性質を持つビフェントリン(ピレスロイド系)を使用しており、防湿シート型でシロアリ・湿気をシャットアウトすることが可能です。
従来の防湿シートの代わりに敷くだけで、防蟻効果を発揮します。

ターミダンシートの詳細についてはこちらのページをご覧ください。