蓄光テープを活用するメリットとは? 蓄光テープを活用している業界や具体例を紹介
暗闇で電気を使わずに発光する蓄光テープは、さまざまな目的・業界で活用されています。停電時でも視認性が高く視覚的に誘導できることから、防災・安全対策で工場や病院、学校などで活用されるほか、交通機関やエンターテインメント業界で活用されることもよくあります。
本記事では、蓄光テープの活用メリットや活用している業界、最適な製品の選び方をご紹介します。
蓄光テープとは
蓄光テープは、蓄光顔料を含む粘着テープのことです。顔料が太陽光や蛍光灯などの光を吸収し、周囲が暗くなったときに蓄えた光を放ちます。より詳細な原理としては、蓄光顔料が光を受けると、紫外線領域の波長エネルギーを吸収し、電子が「励起状態」になります。その後、エネルギーを可視光として放出し、元の「基底状態」に戻る仕組みです。
暗所で発光するため、暗闇の中の視界確保に役立ちます。発光時間は使われている蓄光顔料によって異なり、数十分のものから10時間以上発光するものまであります。
以下の記事では、蓄光テープの仕組みや蓄光テープの選定ポイントについて詳しく解説しています。
蓄光テープの活用メリット
蓄光テープには、暗闇で発光する特性を活用した以下のようなメリットがあります。
停電時にも視認性が高い
蓄光テープは停電発生時に非常に有効です。突然周囲が真っ暗になった場合でも、蓄光テープは事前に光を蓄えているため、暗闇で光り続けます。
廊下、階段、非常口などに蓄光テープを貼ることで、避難経路を明確にできるほか、ヘルメットや懐中電灯などに貼ることで置いてある場所をすぐに見つけることができます。
数時間にわたり光り続ける高性能の製品もあり、長時間の停電時でも安全に避難できます。
視覚的な誘導
蓄光テープは視覚的に人々を誘導する役割を果たします。
暗闇でもはっきりと視認できるため、誘導標識に蓄光テープを併用することでより視認性が高まります。また、停電時やトラブルがあった際に、消火器、AED、非常用照明器具などの機器に貼ることで位置を示し、迅速に対応できるようになります。非常階段や段差、障害物などのある場所に貼ることで転倒したりぶつかったりするのを避けることも可能です。
災害時はパニック状態になりがちですが、明かりがあることで冷静かつ安全に行動できるようになります。
多様な設置場所
蓄光テープは屋内のさまざまな場所に簡単に貼り付けることができます。よくある設置場所は以下の通りです。
・廊下や階段:
暗闇で避難経路を示すために使用できます。
・段差のフチ:
段差があることを示すことができ、転倒防止に役立ちます。
・ドア枠やドアノブ:
出口の位置を明確に示すことができます。
このように多様な場所に貼り付けられるため、防災・安全対策として工場、病院、学校、公共施設などでよく活用されます。
蓄光テープが活用されている業界と具体例
蓄光テープは、暗闇で光るという特性から、さまざまな業界で安全確保や利便性向上に役立てられています。以下に、蓄光テープを活用している主な業界と具体的な事例をご紹介します。
防災・安全対策関連を目的とした業界
下記のような防災や安全対策を目的とした業界でよく活用されます。
・工場・倉庫:
非常口、通路、消火器などの位置を示し、停電時や煙が充満した状況下でも迅速な避難を促します。機械設備のある場所のような危険箇所の表示や、通路と作業エリアの境界線の明示などにも役立ちます。
・病院:
廊下、階段、病室など、患者や職員の動線をわかりやすく示し、夜間や停電時の移動を安全に行えるようにします。ベッドサイドの位置を確認したり、医療機器の操作パネルなどの位置を視認したりできるようにもなります。
・学校:
避難経路、非常階段、トイレなどの位置を示し、地震や火災といった緊急時に子どもたちが安全に避難できるようにします。特に、体育館や講堂の非常口を表示するのに効果的です。
・公共施設:
駅、空港、劇場など、多くの人が利用する施設において、非常口やトイレなどの位置をわかりやすく示し、混雑時や緊急時に利用者が混乱するのを防ぎます。階段や通路、段差のある場所の縁取りにも活用されます。
交通関連業界
鉄道や航空機、船舶などの交通機関でもよく利用されます。
・鉄道:
駅のホーム、階段、通路などに蓄光テープを貼り、夜間や視界が悪い状況下での転落事故を防止します。
・航空機:
非常口を蓄光テープで表示し、緊急事態発生時に乗客が迅速に避難できるようにします。航空機でのトラブルは乗客がパニックに陥りがちですが、蓄光テープがあることで機内の電源が落ちてしまった場合にも冷静な行動をとりやすくなります。
・船舶:
船内での移動経路や非常設備の位置を示し、夜間や視界が悪い状況下での安全確保に役立ちます。
船舶の内部は狭い通路も少なくありませんが、蓄光テープを活用することで安全に避難できます。
エンターテインメント業界
緊急時の避難誘導や視認性向上の目的だけでなく、エンターテインメント業界でも活用されることがあります。
・テーマパーク:
テーマパークにおいて、特定のエリアや展示物を際立たせるための演出として活用されます。例えば、アトラクションの演出や暗い通路の装飾などに利用され、幻想的な空間を演出します。
・イベント会場:
ステージや照明の装飾に利用され、視覚的な効果を高めます。特に、夜間のイベントで視覚的なインパクトを与えるのに効果的です。
蓄光テープの選び方
蓄光テープを選ぶ際には、以下の点を確認することが大切です。
・用途:
どこでどのように使用するかを明確にし、用途に応じた輝度と発光時間を持つテープを選びます。防災目的であればなるべく高性能のものが良いでしょう。
・環境:
屋内か屋外か、温度や湿度などの環境条件を確認します。例えば屋外用であれば、耐候性や耐水性のあるテープを選ぶ必要があります。
・予算:
予算に合わせて最適な製品を選びます。長時間視認性を維持できる高性能な製品になるほど、価格は高くなります。
メーカー:
実績が豊富で信頼できるメーカーの製品を選ぶことがおすすめです。
また、蓄光テープにはいくつか種類があります。予算の関係で一般的な蓄光テープを選ぶ場合も多いかもしれませんが、防災用としてはJIS規格を満たす高光度蓄光テープがおすすめです。具体的には、JCクラス以上の規格を満たすものが良いでしょう。
蓄光テープの選定のポイントについては、以下の記事でも解説しています。
業務用・防災用には高輝度蓄光テープ エルクライト™がおすすめ
日東エルマテリアルでは、工場、倉庫、商業施設、公共施設の安全衛生を目的に高輝度蓄光テープ 「エルクライト™」をご提案しています。
エルクライト™は、蛍光灯や太陽光などの光を蓄えて暗闇で発光することで目印となる、防災用途に開発されたテープです。蛍光灯や太陽光だけでなく、白色LEDの光も吸収し、暗所で光ります。
JIS規格(JIS Z9107)で定められた輝度を大幅に上回り、高い耐候性、耐摩耗性、耐薬品性等を有する、耐久性にすぐれた製品です。
昨今では、防災・安全対策だけでなく、イベント会場の装飾のような幅広い用途でご活用いただいています。
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