V2Hとは?基本情報やメリット・デメリットをわかりやすく解説!

2023年9月12日
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EV(電気自動車)に代表されるエコカーが普及する中、エコカーのバッテリーから自宅に給電可能な「V2H」というシステムが注目されています。

V2Hを導入することで災害時の停電対策や電気代の節約といったメリットを得られますが、費用の高さなど導入にはハードルもあります。本記事では、V2Hの概要やメリット・デメリット、導入のための条件をご紹介します。

V2Hとは?基本情報やメリット・デメリットをわかりやすく解説! V2Hとは?基本情報やメリット・デメリットをわかりやすく解説!

「V2H」とは

V2Hイラスト_車と太陽光

V2Hとは“Vehicle to Home” (クルマ(Vehicle)から家(Home)へ)の略であり、電気自動車(EV)などエコカー内のバッテリーに蓄えられた電力を家庭用に有効活用すること、およびそのためのシステムのことです。近年のエコカーには大容量のバッテリーが搭載されており、エコカーの普及を背景として、そのバッテリー内の電力を有効活用する方法として注目されています。

車両の充電自体は、外部コンセントがあればV2Hのシステムがなくても自宅で可能ですが、車両から自宅への給電はできません。一方で、充放電器であるV2Hを導入することで給電も可能となり、車両と自宅の間で双方向の電力供給が可能となります。

V2Hのメリット、デメリット

V2Hには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

台風による停電のイラスト

①災害時の非常用電源として活用できる
大規模な災害が発生し、停電が起きた際の非常用電源として活用できます。近年は地震や台風、大雪など自然災害が頻発しており、いつどこで大きな災害に襲われるか分かりません。V2Hを導入することで停電時にも車両から給電できるため、災害(停電)対策として役立ちます。

②電気代を抑えられる
太陽光発電など自宅で発電できる設備があれば、その余剰電力を車両に蓄電することで電気代の節約になります。近年は資源価格の高騰や円安の影響で光熱費が上昇傾向にあるため、より節約効果は高いといえます。

③EVやPHVの充電時間短縮・効率化ができる
充電効率に優れている点もメリットです。V2Hは急速充電器に比べれば充電効率は劣るものの、200Vコンセントなど一般的な充電器よりも効率が高く、充電時間を短縮できます。

デメリット

お金が飛んで行くイラスト

①導入の初期費用が高い
V2Hを導入するためには、EVなどのエコカーの購入費用はもちろん、パワーコンディショナーの購入費用や工事費もかかります。V2Hの購入・設置費用として少なくとも50万円以上かかることに加え、新たに車両を購入する場合、総額で数百万円の初期費用を要します。そのため、導入のハードルが高いと感じる方も多いかもしれません。

②V2H機器の設置場所が限られる
V2H機器は自宅と隣接し、かつ車両と接続できるような場所(ガレージなど)に設置する必要があり、設置できる場所が限られることも難点です。ガレージが狭いと駐車するスペースがなくなることにもなりかねないため、あらかじめV2H機器や車両、ガレージの大きさを測っておき、設置可能か確認しておくことが大切です。

V2H導入の必要条件

V2Hを導入するにはいくつか必要な条件があります。

駐車場の有無

駐車場のある家

V2Hは、基本的には自宅に駐車場を併設していないと導入できません。というのも、車両と自宅を有線で接続する必要があるからです。自宅に駐車場がなく、離れた場所にある月極駐車場などを借りている場合、導入は難しいでしょう。

電力会社が所有する配電線とV2H機器を接続するための承諾

送配電を担う電力会社から、配電線とV2H機器を接続するための承諾を得なければならないケースもありますとはいえ、基本的にはV2H機器の設置業者が承諾手続きを行ってくれるため、そこまで意識する必要はありません。

V2Hが可能な車を所有していること

EV車のイラスト

V2Hによる接続が可能な車を所有していることも必須の条件です。具体的には、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)もしくは電気自動車(EV)の車種がV2Hに対応しています。
PHEVは、ガソリンと電気の両方を動力源として走行する自動車のことです。外部から給電し、電気を動力に走行するときはCO2を排出しませんが、エンジンモードのときにはCO2を排出します。

EVは動力源の100%が電気である自動車のことであり、走行時に全くCO2を排出しません。ただし、PHEVに比べると航続距離は短めです。
なお、すべてのPHEVやEVの車種がV2Hに対応しているわけではない点には注意が必要です。

国内の自然災害の状況

V2Hのメリットとして、自然災害による停電発生時の非常用電源として活用できるとご紹介しましたが、近年は自然災害の規模が拡大傾向にあります。たとえば気象庁のデータによると、全国の1時間降水量50mm以上や同80mm以上などの大雨の年間発生回数が、過去40年ほどで有意に増加していることが示されています。

国内の自然災害の状況_全国アメダス_1時間降水量50mm以上の年間発生回数

国内の自然災害の状況_全国アメダス_1時間降水量80mm以上の年間発生回数
出典:気象庁HP(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html)

また、大規模な停電を伴う災害も頻発しています。直近(2023年8月)では、台風6号が沖縄や九州地方を襲い、沖縄では2日午前6時時点で、沖縄本島の各地や久米島、慶良間などで計21万世帯9350世帯、県全体の34.6%が停電しました。
こうしたことから、V2H等を活用した停電対策、非常用電源確保の重要性が高まっています。

V2H以外の停電対策

V2H以外の停電対策としては、主に以下の2つがあります。

蓄電池

蓄電池とは、電気を蓄える機能を持った電池のことです。一般的に利用される電池は使い切りのものが多いですが、蓄電池は充電できるため、再利用が可能です。スマートフォンのバッテリーやEVなど、さまざまな用途で利用されています。

太陽光発電

太陽光発電は、太陽が持つ光エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する方法です。ソーラーパネルを構成する太陽電池はシリコン半導体などでできており、それが太陽光と反応することで電気を発生させる仕組みです。
先述のように、V2Hとあわせて導入することで、電気代節約の効果が期待できます。

蓄電池と太陽光発電のイラスト

V2Hや蓄電池は、本体価格が高価なことに加え、設置工事費やEVコンセントの設置費用(V2Hの場合)がかかり、コストがかさんでしまうケースがありますそこで以下では、コストを抑えつつエコカーや屋外電源、太陽光パネルから住宅に電源供給が可能なシステムをご紹介します。

停電時の電源確保に役立つ電気システム

スマートエルラインライトの説明図

スマートエルライン™ライトは、あらかじめ設定した非常用回路によって、エコカー(ハイブリッド車を含む電動車)や太陽光発電、発電機から住宅へ電気を供給できる住宅システムです。

また、EV充電機(屋外コンセント等)と組み合わせることで、V2Hと比較し約3分の1のコストで住宅の給電と車両への充電が可能な簡易V2Hシステムとして機能します。

※使用できる電気量が異なります
※停電時にEV車への給電はできません

スマートエルライン™ライトにご興味をお持ちの方は、以下より資料をダウンロードのうえご覧ください。

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