蛍光灯はいつまでにLEDに切り替えが必要?
切り替えにあたり工事を行った方がいいケースとは?

2024年12月19日
  • LinkedIn
  • Facebook
  • Twitter

環境保護や技術革新の流れを受けて、2027年までに蛍光灯の製造が終了する予定であり、照明器具を早めにLEDに切り替える必要性が高まっています。LEDへの切り替えにあたっては工事が必要なケースがあり、LEDの特性に合わせた対応も行わなければなりません。

そこで本記事では、蛍光灯をLEDに切り替えるべきタイミングや、切り替え工事が必要なケース、切り替えに合わせて対応すべきことを解説します。

蛍光灯はいつまでにLEDに切り替えが必要?<br>切り替えにあたり工事を行った方がいいケースとは? 蛍光灯はいつまでにLEDに切り替えが必要?<br>切り替えにあたり工事を行った方がいいケースとは?

2027年までに蛍光灯の生産が終了

日常生活や職場において身近な照明である蛍光灯ですが、日本では2027年までに生産が終了する予定です。

蛍光灯生産終了の背景

蛍光灯の生産終了の背景としては、環境規制や技術革新が進んでいることが挙げられます。

近年ではエネルギー効率の高いLED照明が主流となっています。LEDは消費電力が少なく、寿命も長いため、環境負荷の低減に寄与します。一方、蛍光灯は水銀を使用しており、廃棄時に環境への影響が懸念され、廃棄物管理の負担が大きいことが問題です。こうしたことから、2023年に「水銀に関する水俣条約 第5回締約国会議」が開催され、蛍光灯の製造を2027 年末までに段階的に禁止することが合意されました。

また、LED技術の進化により、コスト面でもLEDが優位に立つようになったことから、製造業者は新たな技術への転換を進めています。このような背景から、照明市場は2027年までにLEDに完全に移行することが決まりました。

早めに対応したほうがいい理由

「2027年末で製造が終了するということは、それまではまだ蛍光灯を使用しても問題ないのでは?」

このように思う方もいるかもしれません。実際、2027年末以降も、新規の製造や輸出入は禁じられても既存の製品を使用することは認められています。しかし、以下の理由からなるべく早い段階で切り替えに対応すべきです。

物価高や供給不足で値上がりする可能性がある

近年は資源価格の高騰や円安の影響から、多くの製品の価格が上昇しています。LED照明も例外ではなく、原材料である各種の樹脂や鋼材などの輸入価格が上昇している影響で、LED照明自体も値上がりしている状況です。資源高や円安の傾向が続くと今後も価格が上昇する可能性があります。

また、2027年が近づくにつれ多くの事業者や家庭がLED照明に切り替えるため、需要拡大・供給不足によりさらに価格が高騰することも懸念されます。

工事依頼の逼迫による切り替え時期の後ろ倒しの可能性がある

前述の通り、2027年に近づくにつれLEDへの切り替え需要が高まるため、LED導入工事を行う業者・職人への依頼が殺到する可能性があります。そのため、希望するタイミングで工事が行えず、切り替え時期が後ろ倒しになることが考えられます。

切り替えを決断するタイミングが遅いと、最悪の場合2027年末までに工事が間に合わない可能性もあるため、なるべく早めに対応することが望ましいでしょう。

工事を行った方がいいケース・不要なケースとは?

LEDへの切り替えに際しては、工事を行った方がいいケースと不要なケース(工事不要型LEDを使用するケース)があります。

照明器具が古い場合、器具の切り替え工事も検討したほうがいい

古い照明器具は効率が悪いので、高い省エネ効果を得るために器具の切り替え工事を行って新しいLEDに交換する方がいいでしょう。

蛍光灯の劣化が進んでいる状態で工事不要型LEDを使用することもできますが、器具自体が古いと近いうちに寿命を迎えるため再度交換が必要になることや、劣化により安全性の懸念があることからも、器具を切り替える工事を行うべきです。

既存の照明器具がまだ十分使える場合、工事不要型LEDがおすすめ

蛍光灯の照明器具の劣化が進んでおらず、まだ十分に使用可能な場合は、工事不要型LEDを選ぶことで導入の手間やコストを抑えられます。取り替えるだけで簡単にLEDに切り替えられ、特別な工事は不要であるため、スムーズに切り替えを進めることができます。

ただし、工事不要型LEDを使用する場合でも安定器の種類や状態を確認する必要はあります。安定器が劣化していたりインバータ(電子式安定器)を使用していたりする場合は、安定器を外す工事が必要です。

LED切り替えに合わせて対応すべきこととは?

LEDへの切り替えを行う際には、以下の対応をとることが重要です。

室内の照度と光の当たり方を確認する

蛍光灯は管の全方向に光を発するのに対し、LED照明は光に指向性があり、特定の方向に光が集中しやすいのが特徴です。そのため、LEDは一方向を明るく照らす力は強い反面、単体ではすべての方向をまんべんなく照らすことが難しく、影になる部分が増える可能性があります。

こうしたLED照明の特徴に対応するためには、なるべく均一に照らされるように照明の設置位置や角度を調整することが必要となります。複数のLED照明を導入して影になる部分を減らすことも効果的です。

蓄光テープをLED対応型に切り替える

LED照明に切り替えることで、工場・倉庫において安全対策で使用している蓄光テープが光らなくなることがあります。これは、LED照明は蛍光灯に比べて紫外線の放出量が少なく、蓄光テープに含まれる蓄光顔料を十分に励起できない場合があるためです。

特に使用している蓄光テープのグレードが低い場合、LED照明下では十分な蓄光効果を得られない可能性があることから、蓄光テープをLED対応のものに切り替える必要があります。

LED対応型の蓄光テープは高輝度蓄光テープ エルクライト™で

LEDに対応した蓄光テープは、日東エルマテリアルの蓄光テープ エルクライト™がおすすめです。

高輝度蓄光テープ「エルクライト™JC」と超高輝度蓄光テープ「エルクライト™JD」であれば蓄光する力が強いため、LED照明でも十分な蓄光効果を得ることができます。

また、JIS規格(JIS Z9107)で定められた輝度を大幅に上回り、高い耐候性、耐摩耗性、耐薬品性等を有しており、耐久性に優れています。

 

LED対応の蓄光テープは日東エルマテリアルの蓄光テープ エルクライト™をお選びください。

お役立ち資料

【ユースケース付き】防災対策としての蓄光テープの課題と選定ポイントについて解説
災害時に身の安全を守りつつ速やかな避難を実現するためには、視界の確保が重要であり、停電時の対策の一つとして、蓄えた光を暗闇で放出する蓄光テープがあります。蓄光テープは、電力を消費しない視界確保が可能であり、発光時間は数十分のものから数時間、あるいは10時間以上のものまで製品によってさまざまです。 そこで本資料では、蓄光テープ導入時に知っておきたい課題や選定のポイントについてご紹介いたします。 ユースケースを交えて解説しておりますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。 【こんな方におすすめ】 ・蓄光テープの導入を検討している ・蓄光テープの具体的な活用シーンや例を知りたい ・蓄光テープを導入する際に気を付けておくべきポイントを知りたい
資料ダウンロード

カタログ資料

高輝度蓄光テープ エルクライト™ JB.JC.JD 製品カタログ
「エルクライト™」は蛍光灯や太陽光などの光を蓄えて、暗闇で発光する事で目印となる防災用途に開発された高輝度蓄光テープです。 従来の蓄光テープと比較し、JIS規格基準の大幅な発光輝度を誇ります。
資料ダウンロード