住宅購入で太陽光発電は必須?導入のメリットやデメリットの解消方法について解説
太陽光発電が普及している昨今、住宅購入時に太陽光発電を導入すべきか検討しているご家庭も少なくありません。太陽光発電にはメリットとデメリットの双方があり、これらをよく理解したうえで最適な選択をする必要があります。本記事では、太陽光発電のメリットやデメリット、またデメリットを解消する方法を解説します。
住宅購入時に太陽光発電を検討すべきか?
近年、地球温暖化対策やエネルギー問題への関心が高まる中、太陽光発電が注目を集めており、住宅の屋根に設置するケースも増えています。住宅購入を検討している方にとって、太陽光発電の設置は電気代節約や売電収入の獲得による経済的負担の軽減、災害時の備えなど、さまざまなメリットがあります。
しかし、太陽光発電には多くの初期費用がかかることや、発電量および売電価格の変動などの懸念点もあるため、住宅購入という大きな決断をする前に、太陽光発電のメリットとデメリットをしっかりと理解しておくことが重要です。
太陽光発電の基礎知識については以下のコラムで解説しています。
太陽光発電のメリット
太陽光発電の導入メリットとしては以下の4点が挙げられます。
電気代が削減できる
太陽光発電を設置すれば、日中に発電した電力を自家消費でき、これにより電力会社から購入する電力量を減らして電気代を大幅に節約することが可能です。電気料金が値上がりしても自家発電分には影響がないため、長期的な節約につながります。
環境省のデータ※1によると、5kWの太陽光発電を導入している住宅が年間で発電できる電力量は、全国平均で6,075kWhです。また、経済産業省のデータ※2によると、そのうち31.2%が自家消費に充てられており、1年間に自家消費する電力量は約1,895kWhとなります。
※1環境省「令和元年度再生可能エネルギーに関するゾーニング基礎情報等の整備・公開等に関する委託業務報告書」
※2経済産業省 資源エネルギー庁「太陽光発電について」P.44
上記の数字を基に計算すると、一般的な戸建住宅であれば、年間で節約できる電気代は約5万9千円にのぼります。
この試算からわかるように、一般家庭の場合、年間で少なくとも5万円、多い場合には約10万円の電気代節約効果が期待できます。年間10万円を節約できれば、10年で100万円、20年で200万円の節約になります。これは、太陽光発電システムの初期費用を大きく上回る金額です。
売電収入
太陽光発電により発生した余剰電力は電力会社に売電でき、それにより収入を得られます。
電気はその性質上、発電後に貯めておくことが難しく、例えば昼間に発電した電力を夜間に使うことはできません。電気を貯めるためには蓄電池のような専用の設備が必要です。
住宅に発電設備を導入した場合も、自家消費分だけで使いきれず余りが出たときは、電力会社がその分を買い取ってくれます。
なお、こうした売電の仕組みは「FIT制度(固定価格買取制度)」によって成り立っています。FITは、再生可能エネルギーの普及促進を目的として創設されたものであり、再生可能エネルギーによって発電した電気を、電力会社が10年間にわたり固定価格で購入することを国が保証した制度です。これにより、一般家庭でも太陽光発電を通じて安定的に売電収入を得ることができます。
FITは、電力会社と系統連系の契約を結ぶか、国から認定を得る手続きをすることで利用可能です。
なお、売電価格は容量10kW未満の住宅用設備の場合、2023年度には16円/1kWhとなっています。
一般家庭の場合、年間約2万円~4万円の売電収入が期待でき、これは固定資産税や自動車税など年間の税負担を一部賄うことができる金額です。
以下の記事では、FIT価格について詳しく解説しています。
メリットや補助金について解説
災害時への備え
近年は地震や台風などの自然災害が多発しており、それに伴い停電が発生するリスクが高まっていますが、太陽光発電システムがあれば停電しても自家発電により電気を使用できるため、災害時でも安心です。蓄電池と併用することで、夜間や悪天候時も電力を確保できます。
こうしたことから、災害時への備えとしても太陽光発電は注目されています。
環境への貢献
太陽光発電は発電時に燃料を必要とせず、火力発電や原子力発電に比べ温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を大きく減らすことができます。また、太陽光という無尽蔵でクリーンなエネルギーを利用するため、持続可能性も高い発電方法です。
このように、太陽光発電は二酸化炭素排出量の削減に貢献し、持続可能なエネルギー利用を促進します。
その他のメリットも含めた太陽光発電導入の利点については、以下の記事でも解説しています。
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太陽光発電のデメリット
太陽光発電の導入時には、以下のようなデメリットもあります。
設置費用が高い
太陽光発電システムの初期設置費用は高額であり、パネルやパワーコンディショナー、工事費用、申請手続きなどの諸費用を含めると数百万円に達することもあります。
発電量が天候に左右される
太陽光発電は晴天時には多くの電力を発電できますが、曇りや雨の日には発電量が減少します。また、季節や時間帯によっても発電量が変動し、冬季や朝晩は発電量が低くなります。
メンテナンスが必要になる
パネルの清掃や機器の点検、修理などを含む定期的なメンテナンスが必要であり、そのための費用や手間がかかります。
設置が向いていない家もある
屋根の向きや傾斜角度、面積、強度などの条件によっては設置が向いていない家もあります。例えば、北向きの屋根だと太陽光が当たりにくく、発電量が低下します。
確定申告、固定資産税が必要になるケースもある
売電収入が発生すると確定申告が必要になる場合があるほか、太陽光パネルが減価償却の対象となり固定資産税が発生する可能性もあります。
デメリットの詳細については以下の記事で解説しています。
メリットや補助金について解説
太陽光発電のデメリットを解消する方法
太陽光発電のデメリットを解消する方法としては以下の3つがあります。
国や自治体の補助金・助成金を利用する
国や自治体では、太陽光発電の導入を促進するために補助金や助成金制度を設けています。これらの制度を活用することで、初期費用を大幅に軽減することが可能です。
補助金・助成金の具体的な内容は、地域によって異なるため、詳細はお住まいの自治体や環境省のホームページなどを確認するのがおすすめです。また、申請期間内に応募が殺到すると期限より早く締め切られる可能性があるため、なるべく早めに申請した方が良いでしょう。
以下の記事では、太陽光発電の助成金について解説しています。
メリットや補助金について解説
リースやPPAを利用する
太陽光発電システムを購入するのではなく、リースやPPA(Power Purchase Agreement)という仕組みを利用することで、初期費用を抑えることができます。
リースは、太陽光発電システムを業者から借りて、一定期間の利用料を支払う仕組みであり、PPAは、発電した電力を一定期間、固定価格で電力会社に売電する仕組みです。
リースやPPAは、初期費用を抑えられるというメリットがありますが、長期的な視点で見ると、購入するよりも費用が高くなる場合があるため注意が必要です。
高効率な太陽光パネルを使用し発電量を増やす
太陽光パネルの変換効率が高いほど、より多くの電力を発電できます。これにより、電気代の削減効果の向上や売電収入アップ、設置スペースの有効活用などが見込めます。
太陽光パネルの変換効率は製品によって異なるため、購入前に変換効率を確認することがおすすめです。
太陽光パネルは、日当たりの良い場所に設置することで、より多くの電力を発電することができるため、設置場所は専門業者に相談すると良いでしょう。
以上のような適切な対策を講じることで、より効果的に太陽光発電を活用できます。
太陽光発電の設置費用
2023年時点のデータによると、住宅用太陽光発電システムの平均設置費用は、1kWあたり28.8万円※です。5kWのシステムを導入する場合、初期費用は約144万円です。
また、初期費用以外にも、設置・運用後には保険料や発電設備を撤去する際の解体費用、メンテナンス費用などがかかります。
費用の詳細については以下の記事で解説しています。
太陽光発電と相性の良い「スマートエルライン™ライト」
これまで太陽光発電のメリットやデメリットの解消方法などについて説明しましたが、太陽光発電パネルを導入しただけでは電力を使うことはできません。また、屋内パワーコンディショナーを設置する場合、自立運転コンセントはパワーコンディショナーの側面についていますが、数が1つしかない場合が多く、家電など複数を同時に使用することが難しい課題があります。
日東エルマテリアルが提供している「スマートエルライン™ライト」は、こうした課題の解決に役立ちます。
スマートエルライン™ライトは、太陽光発電で蓄えた電力やエコカーからの電力をすぐに使用できる給電システムであり、導入することで停電時に太陽光発電経由で電気を使用できるようになります。最大1500Wまでであれば複数の家電を同時に使うことができ、屋内パワーコンディショナーの課題を解消することが可能です。
特に、停電時に自家発電が可能な太陽光発電との相性が良く、簡単施工かつ低コストで停電時に最低限の電気を使える自宅を実現します。
スマートエルライン™ライトにご興味のある方は、下記よりお問合わせください。