住宅の寿命を延ばす防蟻対策 将来のシロアリリスクも防ぐための最適解とは

2025年5月9日
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住宅の寿命を左右する要素の1つに「シロアリ被害」があります。シロアリ被害を受けると短期間で劣化が進んでしまうため、適切な対策をとることが重要です。
本記事では住宅の寿命を延ばすうえでの防蟻対策の重要性や、従来の防蟻対策の課題、最適な防蟻対策を解説します。

住宅の性能を支える「見えない部分」への対策

住宅の寿命を左右するのは、外観や設備だけではありません。構造躯体、特に床下や基礎まわりといった目に見えにくい部分の対策こそが、長く安全に暮らすためのカギとなります。
湿気やシロアリは、知らないうちに建物の土台部分を劣化させ、住宅の性能全体を損なうリスクがあります。

住宅寿命における防蟻対策の役割

長期耐久性を表す住宅の絵

・シロアリ被害の長期的リスク
シロアリは木造住宅に深刻なダメージを与える害虫であり、日本の気候条件では全国的にそのリスクが存在します。被害は目に見えにくく、発見が遅れると住宅の基礎部分や土台、柱などの構造体に深刻な影響を及ぼします。
シロアリによる劣化は時間とともに進行し、特に木造住宅ではそのリスクが高いため、初期段階からしっかりとした防蟻対策を行うことが重要です。

・長期的な耐久性を支えるための対策
住宅の寿命を延ばすためには、将来のリスクを見越した設計と施策が不可欠です。防蟻対策は将来的な劣化リスクを見越した対策の一環であり、住宅の耐久性を高め、長寿命化に貢献します。
薬剤処理や物理的障壁の導入、通気性の確保などの対策を実施することで、30年、50年という長期間にわたり、住宅の性能を維持することが可能となります。

将来のシロアリリスクを今から見越すことが重要

長期的な視点での備え

・10年保証後のリスク管理
一般的な住宅には10年保証がついていますが、10年を過ぎると防蟻対策としての薬剤の効果も薄れるため、再処理や点検が欠かせません。点検スケジュールの確保や再防蟻処理の時期の把握など、保証終了後のシロアリ対策の計画を立てておくことが重要です。

・長期的な視点での備え
単に「建てて終わり」ではなく、長く安心して暮らしていくための継続的な工夫と管理が重要です。特に、木造住宅にとって大敵であるシロアリなどの外的リスクに対しては、初期段階での適切な対策に加え、定期的なメンテナンスを行うことが求められます。外部からは見えづらい部分にこそ劣化の兆しは潜んでいます。建築時の品質だけでなく、使用する素材や防蟻処理、そして定期的なチェックと補修のサイクルによって、住宅の健全性を長く保つことができます。

長期的に安心して暮らせる家を実現するためには、「時間の経過」を意識した備えが不可欠です。

防蟻設計の重要性と長期的な維持

・物理的防蟻対策による安定性
薬剤の効果は5年程度で薄れるため、効果を持続させるには物理的な防蟻対策を最初から施す必要があります。これにより、長寿命住宅としての機能・特性を維持できるようになります。

・環境にも配慮した持続可能な設計
環境に影響を及ぼす可能性のある薬剤を使用しない、持続可能な防蟻対策も重要です。防蟻薬剤の使用を最小限に抑え、長期的な効果を維持できる物理的対策や自然素材を活用することは、環境負荷の軽減につながります。
環境保護の観点から見ても、環境負荷が少なく、安全で安定した対策を選ぶことが重要です。

従来の薬剤防蟻処理では対応しきれない現状

シロアリ対策として広く用いられてきた薬剤による防蟻処理は、長年にわたり住宅の基本的な保護手段とされてきました。
しかし、住宅の長寿命化や環境意識の高まりに伴い、「薬剤だけでは不十分であり、場合によっては望ましくない」という認識が広がりつつあります。

薬剤は時間と共に効果が薄れる

防蟻薬剤は時間経過で減少

薬剤による防蟻処理は、「効果の持続性」という点で課題があります。多くの防蟻薬剤は5年程度でその効果が低下し、それ以降は再処理を行わなければ建物は無防備な状態になります。
5年ごとに再処理を行うことは現実的に手間もコストもかかり、居住者の負担が大きくなりがちです。

物理的防蟻の必要性

前述の通り、薬剤を使用した防蟻処理は時間が経過するにつれて効果が低下します。また、薬剤が浸透しきれない部分や施工不良があった場合、シロアリの侵入を完全に防ぐことはできません。

このような背景から、近年では薬剤に頼らない「物理的防蟻対策」が注目されています。物理的対策とは、薬剤ではなく物理的な障壁を設けてシロアリの侵入を防ぐ方法で、金属メッシュ、防蟻シート、通気構造の工夫などが代表的です。シロアリの侵入を物理的に遮断するため、長期にわたって安定した防蟻効果を発揮します。

薬剤だけでは対応しきれない将来的なリスクを軽減するためにも、物理的な防蟻方法は不可欠です。

住宅の長寿命化に最適な防蟻対策

ご紹介したように、シロアリの被害を防ぐためには物理的な防蟻対策を行う必要があり、住宅の長寿命化を目指すには適切な対策を行うことが求められます。
物理的な防蟻対策の中でも特に効果的なものが「ターミダンシート」の活用です。

メンテナンスフリーで長期間の防蟻効果を持つシートの活用

 ターミダンシート写真 

 

ターミダンシートは、土壌表面施設用のシロアリ防除アイテムであり、防蟻対策に最適なシートです。
施工後のメンテナンスが不要であり、長期間にわたって防蟻効果を維持します。

ターミダンシートは忌避性・即効性・残効性の性質を持つビフェントリン(ピレスロイド系)を使用しているため、薬剤を使用することなくシートを敷くだけでシロアリをシャットアウトできます。
従来の薬剤を使用した防蟻処理とは異なり、シロアリが再度侵入するリスクを大幅に軽減できるため、長期的なリスク管理が重要な住宅の長寿命化において非常に有効です。
維持管理コストも抑えられ、長期的に安定した住環境を提供します。 ただし、ターミダンシートのみで劣化対策等級の条件をクリアできる訳ではありませんので、規定された施工(加圧注入材、ヒノキ・ヒバなどの耐蟻性の高い樹種の使用、等)は別途実施する必要があります。プラスアルファでターミダンシートを併用することにより、より住宅の価値を高めることができます。

ターミダンシートの詳細についてはこちらをご覧ください