有効な停電対策は?停電発生時にすべきこと、事前に準備できる停電対策ついて解説

2024年2月28日
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停電発生時はパニックに陥りがちですが、復旧時の通電火災などを避けるため冷静に必要な対策をとることが大切です。停電時に備え、自宅で電力を確保できる設備を導入することもおすすめです。本記事では、停電発生時にすべきことや、事前に準備できる対策について解説します。

有効な停電対策は?停電発生時にすべきこと、事前に準備できる停電対策ついて解説 有効な停電対策は?停電発生時にすべきこと、事前に準備できる停電対策ついて解説

停電発生時にすべきこと

地震や台風などの自然災害が頻発する日本では、停電のリスクが常にあります。生きていく上で不可欠のライフラインである電気が使えなくなると、大きな不安に襲われるかもしれませんが、復旧するまで冷静に対処することが大切です。以下では、停電が発生した際にすべきことをご紹介します。

停電の範囲を確認する

台風

まずは、停電が周辺の地域一帯で発生しているのか、もしくは自宅だけで発生しているのかを把握します。周辺の民家や施設、街灯や信号機のライトが点いているかなどを確認しましょう。
自宅だけでなく、周辺地域一帯が停電している場合は、災害によって電力会社の設備が故障している可能性や、発電所の事故により電気の供給が途絶えているケースなどが考えられます。電力会社のホームページにアクセスし、停電の発生・復旧状況や原因などをチェックしましょう。ニュースサイトなどで停電情報が伝えられていることもあります。この場合、自分でできることは限られるため、電力会社の復旧作業を待つことになります。

自宅のみで停電が発生している場合、分電盤を確認してブレーカーが落ちているかどうか把握します。電力の使い過ぎによりブレーカーが落ちている場合は、使用している電化製品のコンセントを抜くなどして対処しましょう。ブレーカーが落ちていない場合、自宅周辺の引き込み電線が切れている可能性や、電気工事等のために一時的に電力供給を遮断させている可能性があります。

コンセントから電源プラグを抜く

コンセントから発火

電化製品のスイッチがオンになっている状態だと、復旧時に急に通電してしまい、通電火災が発生する可能性があります。地震などにより電化製品が倒れ、損傷していると漏電が発生しやすくなるほか、燃えやすいものが接触した状態だと火災につながります。電気ストーブやアイロン、ドライヤーなど発熱する製品は特に注意しましょう。
また、パソコン本体やルーター・モデムなどの周辺機器は、通電した瞬間に高い電圧がかかり故障する可能性があるため、バッテリーが駆動している間にデータを保存して電源を切り、他の電化製品と同様に電源プラグを抜いておきます。

太陽光発電・蓄電システムを自立運転に切り替える(停電が長期化しそうな場合)

太陽光パワーコンディショナー

太陽光発電システムや蓄電システムを導入しているのであれば、自立運転機能を活用することで自宅に電力を供給できます。メーカーや製品によって、自立運転モードに自動で切り替わるものと手動で切り替えないといけないものがあるため、事前にマニュアルを読んでどちらのタイプか把握しておき、手動の場合は操作方法を理解しておきましょう。

避難時はブレーカーを落とす

電子レンジの通電火災

地震により電化製品が損傷した場合や、大雨等により浸水の被害を受けた場合、機器本体やコードがダメージを受けている可能性があり、通電時に漏電火災が発生するおそれがあります。実際に、阪神・淡路大震災や東日本大震災では、地震に伴う火災のうち、出火原因を把握できたものについては電気に起因するケースが過半数を超えていたという消防庁のデータ※があります。

※出典:消防庁予防課「大規模地震時の電気火災の発生抑制について」

自宅を離れ避難していると火災の発生に気付かないため、避難時には必ずブレーカーを落とし、停電復旧時に通電しないようにすることが重要です。

停電対策に必要な設備

停電から復旧するまでの間、自宅で電力を使用できる設備があると不便さをある程度解消でき、停電に伴うリスク(冷暖房を使えないことによる体調の悪化、暗闇での転倒などのリスク)を軽減できます。
対策に必要な設備としては、主に以下のものがあります。

発電機

発電機

発電機は、機械的な動力から電気エネルギーを生み出す装置のことです。太陽光発電機、風力発電機、ガソリンやガスで稼働する発電機など大型のものから、ポータブル電源などの持ち運び可能な小型化された発電機もあります。
使用可能な容量はそれぞれ決まっており、大型になればその分容量も大きくなります。
なお、燃料で発電する発電機は一酸化炭素を含む排気を発生させるため、屋内での使用は厳禁です。

ポータブル電源については、こちらの記事で詳しく解説しています。
災害時に「ポータブル電源」は必要?メリットや注意点、選ぶポイントについて解説

蓄電池

蓄電池

蓄電池は、電気を蓄える機能を持つ装置のことです。乾電池などは一度電気を使い切ると使用できませんが、蓄電池は充電することで繰り返し使用できます。
前述の発電機と同様、電力を生み出すことができる装置ですが、発電機の多くはガソリンなどの燃料を使って発電する一方、蓄電池は蓄えた電気を使って稼働する点に違いがあります。また、蓄電池と同じく充電によって稼働する装置にポータブル電源がありますが、蓄電池は備え付け型のものが一般的である一方、ポータブル電源は持ち運びできる違いがあります。

災害時に「ポータブル電源」は必要?メリットや注意点、選ぶポイントについて解説

燃料電池

ガス給湯器

燃料電池は、都市ガスやプロパンガスから取り出した水素と空気中の酸素を反応させて、電気を作ることができる電池のことです。家庭用のものとしては、発生させた電気を活用してお湯を沸かすシステムが普及しています。
発電中に停電が発生しても発電を続けることができますが、発電していないときに停電が起きると発電できなくなる点には注意が必要です。ただし、蓄電池や発電機などの外部電源につなげることで起動できます。

V2H

V2H導入住宅

V2Hとは、電気自動車(EV)などエコカー内のバッテリーに蓄えられた電力を家庭用電力として有効活用する考え方、およびそのためのシステムのことです。“Vehicle to Home” の略であり、直訳すると「クルマ(Vehicle)から家(Home)へ」という意味です。
V2Hを導入していない場合、電気の流れは「家からクルマへ」という一方向のみですが、V2Hがあることで「クルマから家へ」という電気の流れも生まれ、双方向の電気のやりとりを実現できます。エコカーに内蔵されているバッテリーは一般的な家庭用の定置型蓄電池に比べ容量が大きく、停電発生時などの非常時に活躍します。

V2Hの詳細については下記の記事をご覧ください。
V2Hとは?基本情報やメリット・デメリットをわかりやすく解説!

事前に準備できる停電対策

懐中電灯

停電は規模によっては復旧まで長期間を要することもあり、その間は電力会社からの電気の供給なしで生活する必要があります。店舗の営業や物流がストップしてしまっている可能性もあるため、食料や飲料水の備蓄はもちろん、懐中電灯や電池式ランタンなどを用意できているか、電力の確保ができているかなどを確認しておくことが大切です。

災害時には在宅避難を選択するケースもありますが、太陽光パネルや蓄電池、電気システムを導入することで、在宅避難時に停電が発生していても必要最低限の電力を確保でき、避難生活の質を高めることができます。

在宅避難時における必要な備蓄やポイントについては、以下の記事で解説しています。
「在宅避難」の判断の基準は?注意点と備えるべきポイント

日東エルマテリアルの「スマートエルライン™ライト」

蓄電池や発電機などは非常に役立つとはいえ、本体価格が高価であり工事費もかかるデメリットがあります。そこで給電システムを導入することで、比較的コストを抑えながら非常用電力を確保できるようになります。
以下の資料では、停電対策設備である蓄電池、V2H、給電システム「スマートエルラインライト」についてご紹介していますので、停電対策にご興味のある方はぜひご覧ください。

お役立ち資料

【どんな停電対策があるの?】停電対策比較資料
急に起きる停電時でも、住宅で電気が利用できる停電対策として 1.V2H  2.蓄電池  3.スマートエルラインライト の3つを機能比較しご紹介します。 「供給電源範囲」「電気使用可能時間」「初期費用」「導入しやすさ」の4つの観点から比較しておりますので、停電対策を検討されている方におすすめの資料です。
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